Watching and Waiting
作家の言葉
"Watching and Waiting"
毎年忙しくない年はない。撮影のための旅か、展示の準備、本作り、また昨年のように新しい家とスタジオを建てていた
りする。自分が望む以上に忙しくしているものは、単に日常の決まりきったことや普段の生活からくるプレッシャーだったりで、何も創造的な活動ができなかっ
たと反省する日々が過ぎていく。
だが作品を制作するのにあまりに忙しかったりインスピレーションがわかない時でさえも、出来ることがある。それは、ひたすら周囲の世界に対して目を開き続
けていることだ。 注意を払っていれば最終的には何かが見えてくる。それは他人には何も意味のないことかもしれない。でも私には意味のあることなのだ。
アメリカ人の表現で"Keep on trucking"
というのがあるが、それは「突っ走しり続けろ」という意味だ。ガンと闘っている私のピンホール仲間は、"Keep on
pinholing"「ピンホールをやり続けろ」をスローガンにしている。私の望みは、何がなんでも"Keep on
looking"「目を開き続けろ」だ。きらめく銀座やひなびた旧い東京(下町)をうろついているとき、または田舎やたまたまいるどこででも、私は注意深
く見、写真的瞬間を待っているのである。
エドワード・レビンソン
2004年
Edward Levinson
(2004)
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